極上のロングダートを楽しむべく、川上村側から林道を攻め始めた久留里。
道中、入山禁止という幟と電気柵にビビりながらも何とか川上相木林道の分岐点にまで到達した。同じ距離を走れば、もうそこは三国峠だ。

しかし、ここから天気が崩れ、遂に雨が降ってきた。雨具を持っていない久留里、無事に三国峠へ到達出来るのか?!

2.1000m超の険路

20016.8.13 12:31 [地図を表示] 川上相木林道で大休憩をとった久留里は、埼玉ナンバーのクルマを見送ってから再び登頂開始。雨は小雨であり、空を見あげればところどころ晴れ間が見える。雲はただの雨雲なので、しばらくすれば晴れるだろう。

実は、自転車で標高1000mオーバーの山道を走るのは今回が初めて。標高が上がるにつれて気温と気圧が変化するというのは中学校の理科第二分野で習うたが、標高差による違和感は感じない。
もしかしたら身体に何らかの変化が現れているのだろうが、川上村自体が標高1000mの高原地帯であるためと、久留里が現在ハイテンションであるため、感覚が麻痺しているのかも知れない。

ちなみに神奈川県にも1000mを越える山岳地帯はあり、茅ケ崎からも気軽に行けるのだが、標高1000mを越えた車道は確か無かった筈。あの犬越路でさえも標高890mであり、それより上を通る道は登山道くらいか?

40年前に大規模なコンクリ法面工事を受けた区間を過ぎ、緩い下りのΩカーブを過ぎる。すると、「落石注意」の標識と共に落石現場を発見。昨日の大雨で崩れてしまったのだろうか?

見あげれば豪快に削れた岩肌が露出していた。写真では迫力に欠けるが、実際はもっとダイナミックである。
凄いとこに道を造ったものだ。しかし、この道のお陰で長野県と埼玉県は結ばれているのだ。

川上相木林道との分岐以降は勾配がきつくなり、雨が降っているせいもあって体力の消費が思いの外激しい。しかし、犬越路の「壁のような激坂」と違い、まだフロントディレイラは「ミドル」のままで登っている。
しかし、体力消耗によるペースダウンのため、遂にフロントディレイラを「ロー」に切り換えた。かくて久留里の操るバイクは、本格的な登山モードに入った。

気が付けば、見あげなくても周りの山々の稜線が見える高さに達していた。見渡す限り山!山!山!こら携帯も圏外になりますわな。PHSは昨日から圏外ですけど。

ところで、画面下には白い棒のようなモノが刺さっている。これがめっちゃ凄まじかったのだ。

撮影は断念したのだが、↑の写真を撮る少し手前に大規模な植林地帯があったのだ。そこには林業関係者のものとおぼしき1台の小型トラックが停めてあり、車内でおっさんがラジオを聞いていた。
んなことはどうでもええ。付近が異様だったのだ。山肌に沿って白い背の高い杭が所々に打ってあり、それがまるでエヴァンゲリオンのワンシーンを思わせるとこだったのだ!!
しかし、杭の向こうからこちらを凝視していたのは碇ゲンドウでもアダムでもなく、林業のおっさんだった。特に何も言われなかったが、ずーっとこちらを見ているのでめっちゃ怖かった。

余談だが、久留里がEVAで一番好きなのは零号機改である。持ってたのは初号機だけど。

さて、林道の方はというと、相変わらずの路面状況である。ここが最狭区間であり、1.0車線。ガードレールやカーブミラーといった高級品は一切無いが、それがいかにも「もと林道」という感じである。
尤も、小回りのきく自転車はこの程度の車幅でも無問題(モーマンタイ)であり、小型車相手なら何とか離合可能。ただ、流石に3ナンバー車に来られると離合に難儀する。
実は、ここの手前で3ナンバーのランクル90系と離合したのだが、一歩遅かったらこちらがバックせざるを得なかっただろう。

最狭区間を過ぎると、南側に大きなアンテナが立っているのを確認。手持ちの登山地図によると、これは梓山無線中継所であり、そこへ通ずる作業道は三国峠から続いている。つまり、三国峠にもうすぐソコにまで近付いているのだ。
ちなみに中継所の背後にあるのが悪石(あくいし)という山と思われる。標高は1849.8m。

鬱蒼とした針葉樹林がまだまだ続く。標高が上がると背の高い木は見られなくなるというが、そうでもなさそうだ。
上空の視界が開けてきた。これが最後のヘアピンで、小さいカーブを登りながらくねくね進むと…………


キタ━━(˚∀˚)━━━━!!
遂に画面左に三国峠をとらえた!!

3.“二”国峠

13:17 [地図を表示] 大胆な切通の小さな三国峠。ここの切通を境に手前側が長野県、奥が埼玉県となっており、川上村道192号梓山線と秩父市道17号中津川線の終点でもある。
峠の名前は「三国」だが、実際に越えているのは「二国」だけ。本当に三国を超えているのは、この峠の北側(画面左側)にある三国山であり、長野・群馬・埼玉の3県の境となっている。因みに三国山の標高は1834m。

こちらは4枚上の写真に写っていた、無線中継所に通じる作業道。登山地図にもハッキリと書かれており、またダブルトラックも刻まれていることから、定期的にクルマでの往来があると思われる。ここは私有地なので一般ピープルは通行不可。

峠の手前の広場から振り返ると、「秩父多摩甲斐国立公園」の看板の隣に「川上村」の白看がある。
「何か違和感あるな」と思ったら、この白看、白地に黒文字であり、村章は緑色である。地元でよく見る白看は白地に青文字で、市町村章も青一色である。というか、南牧村や川上村の白看はみなこの色である。おそらく、管理者である川上村が独自にデザインしたものだろう。ちょっとした「発見」が出来て嬉しい。

それにしてもこの白看、えらいシールだらけやな。
久留里も宣伝も兼ねて「山ちゃり山行」バナー型シールを記念に貼りたかったのだが、生憎準備が無いので断念した。 本当は公共物に落貼りはアカンけど、まぁいいや。

峠長野県側からの眺め。画面中央やや左の部分が、レタス畑のある集落のある所だろう。つい1時間半前まで走っていた所があんなに小さく見える。
ちょうどこの写真を撮る時に雨が上がり、峠には青空が拡がった。

空が晴れたのでもう一度撮ってみた。
峠の手前(マウスカーソルをのせてみよう)でアスファルトは終了し、以後14kmに渡ってフラットダートの下りとなる。厳密に言えば、川上村側も数メートルは未舗装のようである。切通部分の道幅は1.0車線であり、川上村側の広場は峠での離合も兼ねていると思われる。

いよいよ信濃ノ国・長野県を出、武蔵ノ国・埼玉県に入る。長野と埼玉が隣接していることは、両県に住んでる人でも知らない人が多いらしいが、このように、ちゃんと両県はたった1本のもと林道で結ばれている。
三国峠は「さいたま〜」と叫んでる某大型掲示板の住民には、是非訪れて頂きたい場所でもある(←)

埼玉側から長野側を見る。画面の中央に「秩父多摩甲斐国立公園」というでっかい看板とシールだらけの白看が見える。向こうに見える山は、おそらくショナミの頭(1978.6m)と舟窪だろう。
ショナミの頭の向こうは群馬県上野村であり、御巣鷹山(1639.4m)が隠れている。御巣鷹山は今から21年前にJALの旅客機が墜落した現場でもある。当時久留里は2歳だったため、事故の話はテレビや学校の授業で知った。

こちらは埼玉側からの眺め。秩父山地の美しい山容が眺められる、絶好のビューポイントだ。
埼玉側にも狭いが広場があり、トイレもあるのが有り難い。ただし、一帯は無人地帯であり、当然電気も水道も無いので非常に臭い上、非水洗式である。個室の方はおっかなくて扉を開けられなかった。

ところで、余所のサイトでは中津川林道の所在地を「大滝村」と表記していることが多い。ここは秩父市であるが、実はつい最近までは秩父郡大滝村であった。例に漏れず平成の大合併により、ここも秩父市と新設合併したのだ。久留里は出身地が合併で消えた影響なのか、ちょくちょく「合併」という単語に反応することがある。

で、今久留里は埼玉県秩父市の上に立っているのだが、道標も広場に掲げられている案内板も、すべて「大滝村」のままであった。ここがさいたま市だったらとっくに変わってたんだろうなぁ。

山と言えばヤマホタルブクロ。あちこちで咲いていたが撮り損ねてしまい、ここでやっと撮ることが出来た。ちょうど県境のど真ん中に咲いており、峠を行き来する人を出向かい、またお見送りしているのだろう。

さて、マターリ観光したのでいよいよ下りに入る。
ここからは秩父市道17号中津川線となり、全18kmの行程のうち何と14kmが未舗装という、まさに「ロングダート」な市道だ。
次回、久留里がダウンヒルに挑む!!

—旧中津川林道—その2
ひまわりデザイン研究所