茅ケ崎唯一の隧道

  • #003
  • 2007.4.14走行

0.はじめに

久留里が住んでいる茅ヶ崎市は確かに丘陵地帯もあるが、さすがに隧道などは存在しないと思っていた。
まぁ、東海道線をくぐる地下道はいくつか存在するが、あくまでもそれは「ガードの下」であり、隧道ではない。

ところがある日、久留里は見付けてしまった。
仕事帰りにみずき(新興住宅街)までを買いに行った帰りのコトだ。照明の無い真っ暗な市道に寄り道をしていたら、そのまま隧道に突っ込んでしまったのだ。
茅ヶ崎市唯一と断言しても良いであろう。日中にそこを通る機会があったので、この場でご紹介しよう。

1.意外な所に意外なモノ

2007.4.14 13:10 [地図を表示] ある晴れた土曜日、久留里は記憶を頼りに住宅街の中をゆっくりと走っていた。
初めて通ったのは夜、しかも今走っている方向とは逆であるため、全然違う道へ抜けてしまう可能性もあったが、茅ヶ崎市甘沼で何とか隧道に繋がっていそうな道を見つけ出すことが出来た。

因みに今回は南の甘沼地区から北の堤地区へ抜けようとしている。

記憶では、例の隧道がある道は急な坂道となっており、ピークを越えると急な下り坂となった。
その途中にそれを見付け、止まりきれずに通過してしまった。
初めて通る道だったが、住宅街を南下し続けると、湘南バイパスとその側道を見付けることが出来、そこを通って帰宅した次第だ。

坂は記憶の通り急で、やはり坂の途中に“それ”はあった。




ここまで登るのに、相当苦労した。
確かに坂は急だが、「銀龍号だったら」この坂はまだ普通に登れるレベルなのである。
何がしんどいって………………、

はやて号でこの坂を登っているからしんどいのだ。
写真ではイマイチ分かりづらいが、おそらく8–9%はあると思われ、登坂能力は変速機の無いママチャリ以下のはやて号にとっては地獄そのものなのだ。
今は付近の撮影のために停めてあるが、この坂道で発進するのはドエラいしんどかった。足もげるかと思ったわ。

ぽっかりと四角い口を開けたコンクリート製の隧道。地被りは非常に浅く、もしかしたら元々あった山塊に穴を開けて造った隧道ではないのかも知れない。
扁額もなければ主要スペックの載っている銘板も無い。しかし、内部はどうやら楽しい事態に陥っていそうだ。

内部に進入する。綺麗に整いすぎて特にこれといった特徴のない本隧道だが、ご覧の通り、数々のDQN壁画によって見事に装飾されている。
照明は設置されているものの、使われてはいない模様で、初めて通ったときも洞内は真っ暗なままだった。
まぁ、深夜0時頃は珍走団のバイクのライトで明るく照らされていることだろう。

隧道は北→南方向(進行方向逆向き)に下り勾配+ブラインドカーブの構造で、見通しは良くない。道幅は茅ヶ崎にしては広い1.5車線なので、よほどデカいクルマで無ければすれ違いは問題なさそうだ。
出口付近はゴルフ場を通る公道にはお馴染みの落下物防止ネットで保護されている。

こちらが落下物防止ネット。おそらく隧道の真上もゴルフ場の一部なのだろう。確かにあらぬ方向へ飛んでいったゴルフボールが頭上に降ってきたら、痛いでは済まない。ヘルメットを被っていても、遠い遠い世界へ飛び立つコトが出来るかも知れない。絶対嫌だ。

北側(堤側)のポータル。片勾配+急カーブとなっている本隧道の様子が一目でお分かり頂けよう。

特にこれといった特徴も無いこの隧道を見かねたDQNが居たのだろう。こちらはご丁寧に「トンネル」と書かれている。
どうせ落書きするならお得意のマスキングで鋳鉄製の銘板風に仕上げてくれれば良いものの。ま、この程度の連中だから仕方あるまい。

隧道は100m足らずの短いもので、下り坂方向ならば「あ」っという間に通過してしまう。隧道を抜け、落下物防止ネットゾーンも通り過ぎると、後はゴルフ場に挟まれながらひたすら登り続けるだけだ。
どっかの都道と違い、こちらはちゃんと分けられているので堂々と通れるのが嬉しい。

やがて市道はピークを迎え、勾配を緩める。
初めて通った時にも気が付いた進行方向左手の建物は、このゴルフ場の関連施設だった。
倉庫の前で休憩中のおじさん達の視線を浴びつつ、久留里は前進していく。

ここが茅ケ崎市道の証。写真には写ってはいないが、この市道は舗装のところどころにが開いている。これが茅ケ崎クォリティ。

そして、道は下りに転ずる。ゴルフ場を挟んだ東側に県道が通っているため、この市道は交通量が非常に少ない。撮りはしなかったが、残念ながらこの道にも不法投棄されたゴミが散乱している。

ゴルフ場を抜ける。画面の向こうには建築中の家と、基礎工事中の家が1軒ずつ。新興住宅地「湘南みずき」の影響か、この辺りも開発が進んでいるようだ。

坂を下り終え、この市道は他の市道と合流して終点となる。
隧道単体で見れば何も価値の無い隧道だが、「茅ヶ崎市唯一」の隧道なので、市内在住の隧道愛好家は是非チェックしておきたい物件だ。

この後、久留里は藁葺き屋根の住居を見付け、それが市が保存していて見学も可能なことが分かると、早速内部を見学することにした。
茅ヶ崎というと「海」のイメージが圧倒的に強いが、写真のような長閑な雰囲気の場所もあったりするのだ。隧道もあるしね。

—茅ケ崎唯一の隧道
ひまわりデザイン研究所