04神奈川険道44号線〜大山“裏”街道〜

  • 走行2006.12.29
  • 公開2007.1.31

0.はじめに

神奈川県内にもトンデモナイ険道があることは、当サイトの初レポート「犬越路」を読まれた方は既にお分かりだろう。
冬休みに入り、また面白そうな険道無いかな〜っと思いながら地図を眺めていると、な、なんと久留里の活動拠点である茅ケ崎市内に怪しい道筋を発見!!!!!!!

茅ケ崎市民にもマイナーな険道44号線、その棄てられっぷりをとくとご覧あれ!!

ちなみに2桁の神奈川県道は「主要地方道」と呼ばれ、そこらの県道よりも格上な県道である。

1.ハナから疑問…。

2006.12.29 14:42 [地図を表示] 初めて地図を見たときは我が目を疑った。そりゃそうだ。どんなに道がばか狭い茅ケ崎でも、県道と国道だけは2車線で歩道まであったりする。
(茅ケ崎の場合、バスが通る道でも1.5車線が当たり前、歩道はあれば良い方である。)
件の神奈川県道44号線(以下、r44)は「伊勢原藤沢線」と呼び、いま久留里が立っている場所がこの路線の終点である。終点の場所もまた微妙で、藤沢駅から15分ほど走った何でもない場所である。分岐して右手へ消えるのはr43で、この先、延伸工事中のバイパスが交差する。

終点は中途半端だが、県道としてはそれなりのスペックを満たしているr44。流石主要地方道の名を冠する路線なだけはある。しばらく進むとイチコクこと国道1号線の四ツ谷交差点にぶつかる。ここで左折をし、イチコクと700mほど重複する。

余談だが、この日は年末なので、沿線には
「箱根駅伝のため国道1号線と134号線は通行止めとなります」
という看板があちこちに立てられていた。

おっと、書くのを忘れた。今、久留里は藤沢市に居て、これから茅ヶ崎市内へ向かうところです。何故茅ケ崎に住んでるのに藤沢からのレポなんだって?さぁ、なんででしょうねぇ?

ところで、イチコクの陰に身を隠したr44が次に顔を現すのは、羽鳥交番前交差点を過ぎた直後である。パッと見、r44がここから分岐するかのようだが、良く見るとヘキサ(県道標識)は行き先の所に書かれている。本来なら白い矢印の上にヘキサがあるハズなのだが

上の標識で案内していたのは、ここ。四輪駆動車に隠れているが、確かに怪しい道が右に分岐している。残念だがここはr44との分岐ではないのだ。
主要地方道であろうお方がこないヘッポコな道である筈がない。そう思った久留里は本当の分岐を探すため、イチコクを徐行運転する。
ちなみにイチコクのこの区間、松並木が茅ケ崎の中心部まで続いており、街道時代の面影を色濃く残している区間でもある。

例のブツが現れたら良いんだけどなぁ」と思いながら自転車を走らせていると、茅ケ崎と藤沢の市境まで来てしまった。パッと見横断歩道だけの押しボタン式信号に見えるが、信号機には「大山街道入口」という白看が付いており、さらにマウスカーソルを写真に当ててみると………………
な、ななな何と卒塔婆(注1)があるではありませんか!!!!!!!!!!!!

注1:卒塔婆(そとば)…"こちら"の業界では国道または都道府県道の方向を示す標識を意味する…ことがある。

2.隠蔽工作

15:01 [地図を表示] どうみても押しボタン信号にしか見えないが、確かに卒塔婆が立っている。信号機の白看にはしっかりと「大山街道入口」と書いてある。イチコクは「東海道」なので「大山街道」とはr44を指すことになる。ん〜、え〜っと?

ああ、そうなん。r44って由緒正しい街道だったんですか。でもどうして県道側には信号機が付いてないのでしょう?

いきなりこれかよw
700mの重複区間を終えたr44。さっきの歩道付き2車線区間は何処へやら?
茅ヶ崎市内へ入ってからこの惨状って茅ヶ崎市がいくら狭いからってこれは酷い

しかも、だ。

スプレーですか!!
どう考えても嫌がらせです。えらいおおきに。

本当にここが県道——それも主要地方道——なのか、自分でも自信が無くなってきた。かつての街道筋の面影は何処にもなく、どの角度から見てもただの住宅街の生活道路にしか見えないのだ。
昔の人はともかく、「あーここが由緒正しき大山街道ですか」と思う現代人はまず居ないだろう。
ああ、道、間違ってなければいいんだけど。

しばらく進むと変則五差路が現れる。どれも似たり寄ったりなのでどれ通れば良いのかがさっぱり分からない。もっとも、地元の人はどれを通っても無問題(モーマンタイ)なのだが、久留里の場合は正しいルートを通らねば険道調査の意味がない。
ここでは右折が正解。

更に迷子ポイント。複数の丁字路が合わさったとても複雑な交差点。業界の人は「直進してすぐの分岐を右に行く」と答えそうだが、実は違う。ここでは素直(?)に左折するのが正解。

角を曲がると若干道幅が拡がった。これは茅ケ崎標準の道幅だ。年末のせいか、ただでさえ寂しい道が更に寂しく見える。しばらく走っていると、段々この道が県道に思えてきた。いや、県道なんですけどね。

[地図を表示] 単独区間となって初めて信号付きの交差点が現れた。
地図を見ればここはただの市道と交差するはずなのだが………。

こっちの方が道幅が広いのは気のせいですか?
交差するのはただの市道。どうみてもこっちが県道にしか見えません。ありがとうございました。
あと市道の分際で道幅広すぎです。本当にありがとうございました。

交差点を過ぎても相変わらずなのだが、突然2車線に拡がることがある。改良したというよりも、「暗渠を埋めてアスファルト敷いたらこうなった」というのが本音だろう。突然道幅が広くなることは、茅ケ崎市内の住宅街の道によく見られる特徴だ。県道では初めて見たが。
そう言えばさっきから全く見掛けないなぁ、ヘキサ(県道標識)を。

(2016.4 追記)なお、写真奥の黄色い建物のある辺りから次の写真の地点まで、道が二手に分かれる。右(北側)が現在のr44だが、大山街道は左(南側)の道のようだ。

ヘキサを見つけぬままr44は新湘南バイパスの側道と合流。新湘南バイパスは国道1号線のバイパスだが、側道は国道指定を受けず、藤沢・茅ケ崎市道となっている。地図を見ればお分かり頂けると思うが、r44と新湘南バイパスは東西に併走しており、何故こちらが県道指定されないのかが不思議でならない。

同じ場所で振り返って撮影。左の高架路線が新湘南バイパス、その下が側道、右が県道として機能していない県道。やっぱり側道の方が県道に見える。

何故狭くて細くて迷いやすいこの道を、神奈川県が「県道」に指定したのか?
それはやはり、この道がかつての大山街道だったからだろう。そうでなければ神奈川県は間違いなく市道に格下げ……いや、ハナから県道(それも主要地方道)に指定しなかったハズだ。

街道の面影を完全に失い、ただの住宅街の道に成り下がっているr44。
ここからは側道県道として新湘南バイパスの下道になるハズ…………………だったのだが。

—神奈川険道44号線〜大山“裏”街道〜—前編
ひまわりデザイン研究所