02酷道140号線旧道〜秩父街道〜

  • 走行2006.8.13
  • 公開2006.9.23

0.はじめに

国道140号線(以下R140)は埼玉県熊谷市と山梨県増穂町(南アルプス市の南隣)を結ぶ一般国道である。埼玉〜山梨県境は有料で自動車専用の雁坂トンネルが通っているが、このトンネルが1998年に開通するまでは「開かずの酷道」と揶揄されていた。
一方、雁坂トンネル北口の手前、埼玉県秩父市の旧大滝村には3本のR140号が通っている。北から順に滝ノ沢バイパス、旧道“上”、旧道“下”と別れており、地図で見ても分かるように、バイパスが開通するまではとても「国道」とは思えぬほどのトンデモ酷道だったという。

1997年に延長2200mの大峰トンネルが開通し、バイパスが全通した現在でも旧道はいまだに国道指定されたままで、放置されているのか、あくまでバイパスはバイパスでこちらが「本線」なのかは定かでない。

実は今、中津川林道を走り終えた帰りなのだが、バイパスはクルマが猛スピードでバンバン行き交うので危なっかしい。そこで、交通量の少なさそうなこの旧道を走ってみた。
生まれて初めて通る「酷道」、果たしてどんなドラマが展開されるのか?!

1.罠

2006.8.13 16:11 [地図を表示] 中津川林道を走り終えた久留里は、r210中津川三峰口停車場線を通ってR140の交差点に到達した。r210はダム工事に関連して新道に付け替えられており、中津川の対岸には工事用道路となった旧道が見える。
交差点を右折し、一旦山梨方面へ南進する。

ダイナミックな中津川大橋で中津川とr210旧道を跨ぐとすぐに大峰トンネルがお出迎え。いざ進入!!

………長い。えらい長い。
大峰トンネルは微妙に勾配があり、緩やかにカーブを描いている。場所が場所なので歩行者の通行はかいもく考慮されておらず(というか、人が住んでいない)、歩道がばか狭い!!あくまで非常時の通路であり、ハンドル幅60cmの銀龍号では非常に厳しい。

因みに自転車は車道を走るのが原則であり、教習所に行ったことのない人でも交通安全教室で教わったルールだ。しかし、いくら2車線でもセンタラインにポールが立てられていると軽自動車でも自転車は追い越せない。おまけに交通量が非常に多いのでここは例外処置をとらさせてもらった。実はここ、自動車専用らしい……。

[地図を表示] 15分掛けてやっと脱出。田舎育ちの久留里には、隧道に溜まった排気ガスはえらいしんどかった。歩道(というか側道)は出口付近でプッツリ途切れ、写真中央の芝の部分と繋がっていた。茅ヶ崎仕様の高い段差をゆっくり降り、振り返るとそこには分かりやすい旧道の分岐が見えた。
手持ちの地図では、これが旧道“下”なのだが、2車線なので本当は旧道“上”のようだ。

↑よりももう少し下がって撮影。青看の指し示す方向には何も書いていないが、地図上では旧道も現役の国道である。
画面上にはなんやら狭そうな上り坂の道路が見えるが、おそらく何処かの山へ行く林道だろう

地図と実際の内容が異なることは良くある話だ。特に、今久留里が手に持っている登山地図は広域地図なので、こうした細かな内容は描かれていないもの。
本当の「旧道下」の入口を探すべく、R140をこのまま南進することにした。

?????何かおかしい。10分走っても入口が見付からない。
時間が迫っているが、焦ると碌なコトがない。給水し、一息ついてから地図を確認。
危なかった。危うく雁坂トンネルに行ってしまうとこだった。真っ暗の中、知らない道を通るのは怖い。
ここで180°向きを変え、先程通過したバス停まで戻ってみる。

バス停のあった広場に戻る。バス停の名前を確認すると、「川又」と書いてある。地図では川又バス停付近で旧道が分岐しているようだが、画面左のひょろっこい道がどのようにして見れば国道に見えるのだろうか?
まずい。混乱してきた。すると、向こうからマイクロバスがやって来た。旅館の送迎バスかと思いきや、何と路線バス!!地図にはバス路線を示す線も引いてあるので旧道確定!!
よく見ると、画面中央にちゃんと「おにぎり」が立っているではないか!!

↑の写真の中央部を等倍に拡大してみた。既にヌシと化しているおにぎりだが、色褪せずに「国道 140」と書いてある。
(写真はPhotoshopで強引に明るくしています。)

という訳で、左の旧道へいざ進入!!

2.やられた

16:50 [地図を表示] まるで林道のような荒れ具合の旧国道。で、さっきから嫌な予感がするのだが、どういうわけか急勾配で標高をぐんぐん上げているような気ぃしてならない。事前の机上調査では、GoogleMapの航空写真でも地形を確認済みで、川沿いを走る旧道“下”は、こんな高い所は通らないハズである。
ああ、嫌な予感、嫌な予感……………、

謀ったなシャア!!

まんまと引っ掛かった(←おどれが悪い)。大峰トンネルで分岐していた旧道は、接続部分は2車線だが、ほどなくして1.0車線に。今登っている坂はR140で間違い無いのだが、旧道“上”だった。
久留里がトンネル付近で示した林道のような道。嫌な予感通り旧道“上”だったのである。なんてこった。

この坂を下れば今からでも旧道“下”に入れるのだが、面倒だし、この道はもう永久に走ることは無いと思うので、このまま“上”を進んでみることにした。

中津川林道で体力を消耗した久留里。HPのこり20で、「やくそう」ごときで回復出来る状態になかった。
歩くような速さで坂を登ると、集落発見。成る程、こいつが国道として生き残ったのはこの集落のお陰か。
それにしてもとても国が管理している道とは思えないこの狭さ。この狭隘な道を平地にし、路線バスをでっかくして、行き交うクルマを高級車にすれば、茅ケ崎の住宅地が再現出来そうだ。

ちなみにこの集落は栃本集落と言い、「秩父市 栃本」という白看も立っていた。デザインは埼玉仕様だが、長野県で見たやつと似ている。

集落を抜けると再び林の中へ。道幅は1.0–1.5車線を維持しており、特に狭い区間では林道を走っているような錯覚に陥る。
カーブを曲がると苔むしたおにぎりと公衆トイレが現れた。おにぎりは食べると腹を下しそうだが、トイレは結構新しめ。ずっとトイレに行きたかったので直行する。

トイレの中は綺麗で、しかもこんな山中にも拘わらず水洗式で驚いた。照明は自動点灯式だが、男子側はセンサが壊されて暗いまま。「男子」「女子」を表す看板がつぶされていたので、どっちがどっちか分からず、間違えて女子トイレの自動照明を点けてしまった。
綺麗だが部分的に荒らされている公衆トイレ。駐車場もよく見るとローリングした跡がくっきりと残っており、夜は「いつもここから」の真似をしている暇人たちで賑わうのだろう。やるなら舞台でやれ。

初の酷道区間。確かに狭いが、狭いだけの旧道“上”。貴重な現役旧酷道にも拘わらず、他サイトのレポが少ない理由が何となく分かってきた。
だが、最後に旧道からの嬉しいプレゼントが待っていたのだ。そのプレゼントとは??!!

—酷道140号線旧道〜秩父街道〜—前編
ひまわりデザイン研究所